ボストンレンズ外来を始めるに至った経緯
私はボストンに留学中に、2年に1回行われている角膜の学会で、Rosenthal医師による円錐角膜へのボストンレンズ処方の報告を聞きました。留学前より円錐角膜外来を担当していた私は、重症例ではなかなか通常のハードコンタクトレンズを目にのせられないことが分かっていましたので、そのことをRosenthal医師に質問してみました。
Rosenthal医師は「このボストンレンズは、円錐角膜のほぼ100%の方がほとんど異物感なく使用でき、視力も良く出ます」と答えられました。
私は半信半疑でしたが、一度処方しているところを見学させて頂くことになりました。実際、あんなに大きなレンズを目の中に入れて異物感も無く快適であるということをほとんど信用していませんでしたが、自分自身の目で確かめ、それが本当であることが分かりました。「百聞は一見に如かず」を実体験したわけです。
また、このレンズは円錐角膜のような角膜の乱視だけでなく、ドライアイやスティーブンスジョンソン症候群のような眼表面の病気に対しても、大変有効であることが分かりました。
小島隆司
自分でボストンレンズをはめてみました!
始めは、大きなレンズを恐る恐る目に入れてみました。装着してみると、レンズは黒目に触れておらず白目でレンズを支えているためか、ほとんど異物感がないことに驚きました。またすごく不思議に感じたのは、通常のコンタクトレンズの場合、装着するとすぐに目が乾燥してきますが、このレンズは逆に、目の表面が潤っている感覚、目薬をつけたばかりのようなみずみずしい感覚が、持続することです。